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2021年1月29日金曜日

1月29日

 


探偵シリーズバックナンバーより~



「『結婚の理由打算と偽り』…②

 

 【真面目が取りえで恋愛経験のない夫。仕事一途で、女性にもてるタイプではないことは自分でも分かっている。そんな中、保険外交員の紹介で結婚した。相手はモデル並みの容姿をしていた。夢心地で、紹介からわずか3カ月で籍を入れ、家も購入した。

 ところが、結婚してまもなく体調が悪いと同衾(どうきん)を拒み寝室も別々に。夫の夜勤に乗じて朝帰りも珍しくない。この結婚生活は経済的な理由と安定した生活が妻の狙いだったことに気付く】(前回より)

 夫の夜勤の金曜日をまず調査日と決めた。調査開始場所は自宅。入り組んだ住宅密集地であり、自宅を注視する場所は付近の公園しかない。探偵がペットを連れて散歩を装い張り込む。夫の車は、午後6時過ぎ自宅を出て仕事へ向かう。それから30分後、妻が玄関から出てきて車に乗り込む。しかし、10分過ぎても車は動かずにいる。すると、妻は車を降りて歩き始めた。「妻は必ず自分の車で出かけます」という夫の断定は覆された。そうなると、どこで車に拾われるか分からない。ペットを連れた探偵と、バイクを押しながら尾行する探偵が、間合いをつめながら追尾する。

 すると、ハザードをたいた車が見えた。妻は車を確認すると小走りに助手席へ。ライトを消したバイクが追跡、ほどなく追尾車輌と合流し2台で追尾開始。そして、妻を拾った車は郊外のレストランへ。すると40歳ぐらいの女性も同席して3人で席を囲んだ。妻の容姿は他の女性客と比べても際立っている。その反面、一緒の男性は夫とは正反対の危ない雰囲気をまとい、妻と同世代のようだ。

 2時間後、店を出た2人は同席していた女性と別れ、ある工業団地に向かった。そこは、夫が勤務している会社の駐車場だ。ゆっくりと何かを確認するように徐行して出てきた。夫の車があるかどうか確かめたのだ。この用意周到さには、探偵たちも舌を巻く。そして、ホテルに入った。後日の素性調査で、衝撃の事実が判明した。レストランで同席していた女性は夫を紹介した保険外交員だった。男性は…。

 これ以上は特定されてしまう恐れがあるので、紙面ではとても書くことはできない。本件は、紹介者と妻と男がグルになり、真面目で蓄財のある男性を狙った結婚詐欺のような卑劣な構図となっていった。この調査は、暗く大きな影を落とす、とてもつらい結末に。報告の日の夫の落胆は計り知れなかった…。夫は、現在弁護士とともに闘う準備をしている。

 「現代は、想定がつかない卑劣な行為が隠されています。不安に感じた時、ためらわずにご相談ください。真実を知る勇気こそが、己を救う道なのです」と駒木代表取締役。

 (前回はホームページをご覧ください)

 *本文は依頼人の了承を得てプライバシーに配慮しています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

 

2021年1月22日金曜日

1月22日

 


探偵シリーズバックナンバーより~


「『結婚の理由打算と偽り』…①

 

 弁護士の紹介でGKに来た県北の男性。某工業団地で3交替勤務についている。見るからに誠実で人のよさそうな印象を受ける。真面目だけがとりえで、遊びという遊びもしたことがなく、恋愛経験もない。けして女性にもてるというタイプでないことは自分も十分分かっている。相談は妻の不貞(浮気)だった。

 妻とは、夫が契約をしている保険外交員の紹介で知り合い、夫40歳、妻30歳の2年前に結婚した。妻は未婚の母だった。2歳になったばかりの娘がいた。妻は、モデル並みと表現してもいいような容姿を身に着けていた。夫は自分とのあまりのギャップに気遅れしてしまい、言葉すら交わせない。こんな奇麗な女性がつきあってくれるはずがない、冷やかしだったのかと紹介者を一瞬恨んだほどだ。

 しかし、紹介者の「彼女はひどい男のために苦労しているから、とにかくあなたのような真面目な人と結婚したいと願っているの…」という説得もあって、福島の実家に連れて行った。大歓迎を受けた。何か故郷に錦を飾ったような錯覚に陥ったのだと回顧する。そして、わずか3カ月で籍を入れた。

 夢心地と表現するのが適切なのだろう、この女性のためならと、もっと稼ごうと、夜勤明けのシフトを利用して、会社に内緒でバイトまで始めた。ところが、暮らしはじめてすぐ、体調が悪いとか、子どもと一緒じゃないと眠れないなどの理由をつけて同衾(どうきん)させてもらえないようになった。寝室も別々になった。そのあげくに、一人暮らしをする母親を同居させたいと、結婚してまもなく購入した家に呼んできた。

 妻の言うことにけして首を横に振らない夫の足元を見て好き放題の生活を始めるようになる。夫の夜勤に乗じて、朝まで帰ってこないことも珍しくなくなった。夫が行先を聞いても友達が困っていろいろ相談を受けているなどの理由をつける。そして、目撃した。

 その日夫は夜勤だったが、体調がすぐれず早退してきた。空が白やむころ、自宅の前で明らかに男と分かる車から降りた妻の姿を目撃した。1年前のことだった。妻を問い詰める勇気など持ち合わせていない。妻と娘と義母の3人家族のような空気だけがまん延する中で、孤独感とわびしさだけが募っていく。

 ますます妻の行動が大胆になっていく。まるで夫の存在など無視するかのように増幅していく。いくら男女の機微にうとい夫でも、次第に結婚生活に疑問を持ち始めるように。そして思いついた先は、結局、経済的な理由と生活の安定という打算だけが妻の狙いだったのかと…。

 夫は自分のばかさ加減に憤まんやるかたない怒りをたぎらせた。泣き寝入りはしない。調査開始。暴かれていく妻の真実…。

 *本文は依頼人の了承を得てプライバシーに配慮しています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

 

2021年1月18日月曜日

1月18日

 


探偵シリーズバックナンバーより~


 「『投資詐欺』失われた退職金

 

 「息子が5歳の時、女をつくって家を出た夫。昼間は医療機関の団体職員として、夜はパチンコ店の清掃をしながら子どもを育て上げ、息子は有名私立大学を卒業し金融機関に就職した。しかし、嫁との軋轢(あつれき)から、息子夫婦は5年間帰省もしない。老後は息子に頼らず一人で生き抜くと利殖を考えていた矢先、その営業マンの優しさに結局、退職金の2千万円を預けた。警察や弁護士などに相談しても詐欺としての立件は難しいと言われ、揚げ句の果てにもうけ話に乗ったあなたも悪いと言われた…」(前回より)」

 途方に暮れた。私の何が悪いのか。誰一人として味方になどなってくれない。見え透いた同情だけ。疎遠になっている息子に話せるわけがない。

 GKは、以前放映されていたテレビ朝日の「あなたに逢いたい」でレギュラーを務めていた。人探しは誰にも負けないという自負がある。しかし、その営業マンの手がかりは名刺だけ。見つからなかった場合のリスクも十分説明したが、やってほしいと着手金も持参してきた。依頼人の並々ならぬ覚悟を感じた。GK探偵グループの総力を挙げた捜索が始まった。

 そこで着目したのが、その名前だ。苗字はありきたりだが、名前は変わっている。こういう投資詐欺の場合、名前だけは正直に名刺に織り込むケースが多い。それは、免許証の提示などを求められる場合も多いからだ。その名前だけをたよりにあらゆる手段を駆使して捜索した。それから2カ月後、ようやく同姓同名の男の足取りをつかむことができた。埼玉県の分譲マンションにいることが判明した。

 3日間かけてようやくその営業マンの姿をとらえることができた。その男の容姿は依頼人の記憶にある男の特徴と一致、後日、依頼人に映像を見てもらう。「この男です」と3度も口にした。探偵冥利(みょうり)に尽きるのもつかの間、当初、依頼人は、話に出向きたいから警護(ボディガート)として同行してほしいとの要望だった。その話を進めようしたとき、「これでやっと気持ちが落ち着きました。許せない気持ちは払拭(ふっしょく)できませんが、誰にも相手にしてもらえなかった私の話を聞いてくれて、真剣に取り組んでもらえました。私の怒りや思いを受け止めてくれたことが何よりもうれしいのです。幸い体も丈夫なので、働き口を見つけます…」と事務所を後にした。

 私たちにかけられる言葉は見つからなかった。きっと、その営業マンの姿と、同年代の息子の姿とが重なり合ってしまったのかもしれない。優しさに飢えていたのかもしれない。私たちはそう思いをはせることしかできなかった。

 (前回はホームページをご覧ください)

 *本文は依頼人の了承を得てプライバシーに配慮しています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

 

 

2021年1月12日火曜日

1月12日


 

探偵シリーズバックナンバーより~

 

『投資詐欺』失われた退職金

 「投資の話に退職金をつぎこんでしまった」と、県北に住む60代の女性。警察を含めあらゆる行政機関に相談しても詐欺としての立件は難しいといわれた。揚げ句の果てにはもうけ話に乗ったあなたが悪いというような言葉を浴びせられたという。

 弁護士に相談しても、相手の所在が分からないのでは、なすすべがないと言われた。そんな時、タウンページで見つけた調査会社に調査を依頼した。わらにもすがる思いだった。しかし、大金を取られた揚げ句、その会社は存在しないというだけの、杜撰(ずさん)な報告書が送られてきただけだったという。相談を聞く私たちにも、その怒りは容赦なくぶつけられた。

 この女性は、医療関係の団体職員として40数年勤務し、昨年の3月末に定年を迎えた。退職金の額は2千万円を超える。息子が5歳の時、夫は女をつくって家を出た。泣き言は絶対に言わない。女手ひとつで、子どもを育て上げた。会社には内緒で夜はパチンコ店の清掃の仕事をして必死に働き、ひとり息子は都内の有名私立大学を卒業し金融機関に就職することができた。

 そして、大阪の支店に配属されて間もなく、結婚したいと女性を連れてきたが、人を見下すような態度、言葉遣いに目を疑った。結局、息子に嫌われたくない一心で、女性とは作り笑顔で付き合い、息子は母親の気持ちを察することなく結婚した。

 そして、5年前の正月のこと、嫁の振る舞いに我慢の限界を超え大げんかになった。母親を擁護することもなく、息子は嫁と大阪に帰ってしまった。それ以来、帰省することはない。

 老後は息子には絶対に頼らず生活をする、と心に決めた。女性の平均寿命と退職金と年金を計算し、利殖をして資金を増やしたいと考えていた矢先、そこに現れた投資会社の営業マン。見た目も良く、よく話を聞いてくれた。これまでの人生や息子のことなどすべてを優しいまなざしで、時には涙を浮かべてまで聞いてくれた。一切、営業の勧誘はなかった。次第に心を開き、初めての訪問から10回目に、こちらから投資すると言った。営業マンは信じてくれてありがとうございます、と目を潤ませ何度も何度も頭を下げた。退職金の半分を振り込んだ。

 翌月末、想像を超えた高配当が振り込まれるようになった。半年を過ぎたころ、すっかり信用し、残りの1千万円も言われるがまま預けた。そして、配当金は振り込まれなくなり、電話も一切つながらなくなってしまった…。

 なぜ、こんなひどい目に遭わなければならないのか。依頼人は人目もはばからず号泣した。絶対に許してはいけない。GKグループの総力を挙げた捜索が始まった。

 (次回に続く)

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2021年1月7日木曜日

2021年1月7日

 

あけましておめでとうございます。

2021年がスタートしました(*^-^*)

苦境を乗り越え、穏やかな日々が訪れますように・・



探偵シリーズバックナンバーより~

 「不倫・結婚・不倫・離婚…②

 

 【ETC明細から夫の不審な行動が明らかに。問い詰めると夫婦間にもプライバシーがあると怒鳴り散らし家を出て行った。家に帰らない夫と話し合いたいと何度勤務先に足を向けたかわからない。無邪気に遊んでいる子供の笑顔だけが唯一の救い。調停で夫婦関係の修復をのぞんだが、修復どころか夫は妻の「非」を作り上げた。夫の社会的地位と饒舌(じょうぜつ)さに調停委員は夫の味方になった。口下手な妻の訴えは聴きいれてもらえない。泣き寝入りはしたくない…】

 調査当日。職員通用口の2カ所を固める。終業時刻とたがわずに夫は出てきた。夫は、予想に反して、車を使わず、徒歩で役所を出た。急遽、調査車輌に同乗させていた女性スタッフとカップルを装い徒歩尾行に切り替える。併せて、迎えの車に乗られた場合の準備として、車輌とバイクに間合いを詰めさせながら慎重に追尾させる。

 職場を出て10分、夫は、県道沿いの大型書店に入った。これといった目的もないように店内を徘徊(はいかい)する。すると、ほどなくして夫の携帯にメールの着信音が。夫は、携帯を開くわけでもなく、決められごとの合図であったかのように出口へ向かう。

 すると女性の運転する車に乗り込んだ。車は郊外のレストランへ。店内へ潜入し2人の関係性を少しでも手に入れるため会話に耳をそばだてる。女性は、夫と同年代の地味な女性だった。依頼人である妻が一回り年が下であるせいか、随分と老けているように見えてしまう。

 2人の雰囲気は、とりたてて、熱い関係のようには感じられないが、その自然な立ち振る舞いとさりげない笑顔は、旧知の間柄のような空気を漂わせている。結局なんの関係性も見いだせないまま店を出た車を追う。行き着いた先は、短期賃貸型のアパート。当然であるがごとく2人は部屋に入った。午前0時をまわったころ、電灯が消えた。週の半分はこのパターンだった。

 ただ、探偵たちには、暗く重い影がのしかかった。それは、後日実施した女性の素性調査の結果である。夫とその女性の関係は、衝撃的なものだった。妻も、これが公にでもなったとしたらと思うと、怖くて調停にも持ち込むことも躊躇(ちゅうちょ)してしまった…。結局、妻は、浮気がどうのこうのではなく、修復する気も失せてしまい、離婚の道を進んでいる。

 「誰でも、自分だけはトラブルとは無縁だと思って暮らしています。いろいろな不幸が巷(ちまた)にはあふれているけれど、まさか自分がその当事者になるとは思っていません。形式や先入観にとらわれたとき、物事の本質を見失ってしまうのです。そうならないように、お役にたつことが私たちの使命なのです」と駒木代表取締役。

 (前回はホームページをご覧ください)

 *本文は依頼人の了承を得てプライバシーに配慮しています。