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2020年1月29日水曜日

1月29日

こんにちは(*^_^*)今回、「探偵シリーズ」バックナンバーを掲載しました!
「恋する母と娘の憂慮①」

 探偵シリーズの愛読者であるという30 代の女性が相談に来た。母親のことだという。母は両親を知らない。施設で育ち中学卒業と同時に工場へ就職し、夜間高校へ通い卒業した。そして、19 歳の時に同じ職場の一回り年上の男性と結婚して相談者である女性を出産。夫は口数は少ないが、仕事も真面目で優しく子育ても協力してくれる良き夫。しかし、酒が入ると別人格になり暴言や物を投げつけるようないわゆる「酒乱」だった。母親は娘を抱いて車で避難して夫が寝静まるのを待って帰宅するという日々が珍しくなかった。翌朝になると普段通り優しい夫に戻っている。
 母は自分に親がいなかったためか、娘には両親そろっていることが必要と耐えに耐えて来た。しかし、物にあたるだけでなく、平手打ちをされたことがあった。娘にも暴力を振るわれそうになった。言葉の暴力や物を投げつけて来るだけなら、耐えられたかもしれない。手をあげられたことで心の中で何かが切れた…。弁護士に相談し離婚した。
 それが依頼人である娘が20 歳になった時に、話してくれた父親のいない真実だった。その時依頼人は、声にならないほどに嗚咽(おえつ)を漏らしていた。それから再婚もせずに女手一つで仕事を掛け持ちしながら育ててくれ、短大にも通わせてくれた。そして娘は夢であった幼稚園の先生になり、幸せな結婚をして子供2 人と4 人で暮らしているという。母には同居を進めたが、遠慮もあるのか近くに住んでいる。
 その母が、勤務先の同僚に勧められて、同僚が利用しているサイトに登録し都内に住む60 歳過ぎの男性と知り合った。そして交際を重ねて半年がたつ。依頼人である娘は、母が明るくなり心なしか浮き立っている様子を察知した。娘としては、多少の不安感もあり母に確認したところ、まるで少女のようにはにかみながら話してくれたという。娘も母のうれしそうな顔を見ていると、出会い方がどうであれ心から幸せになってもらえたら言うことはない。しかし、母は10 年前にある男性からお金をだまし取られたうえに心にも傷を負ったという過去がある。不安を拭い去るためにも相手の素性を調査することに。
 娘が母親から聴きだした情報によると、その男性は生まれが四国で、年老いた母親が一人で暮らしている。2人の息子は独立しており、本人も8 年前に離婚したという。本人は勤務していた会社を退職して、金銭的にも余裕があるので仕事をしないで、図書館通いの悠々自適の生活を営んでいるという。ただ、月の大半は母親の様子を見るために四国へ里帰りしている。母が連休にその男性宅に泊まりに行くという日に尾行した。真実が次々と明らかになっていく。
 (次回に続く)
 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

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