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2020年5月13日水曜日

5月13日


417日更新てん丸ブログ続き

探偵シリーズバックナンバーより~

「家を出た夫…まさかのすみかと女②」

 夫は自動車メーカーの気鋭のエンジニア。妻と知り合ったのは大学院の研究室。6年の交際を経て結婚2年目になる。夫は仕事に明け暮れ、妻は夫が未来や夢を話してくれるのが何より好きだった。夫を支えるため、妻は電気メーカーの商品開発のキャリアを断念し、出張や残業のない部署に転属した。そこまでして夫が仕事に打ち込むことができるように、妻は尽くしてきた。ところが、今年1月中旬、一方的に「君といるのに疲れた」と突然家を出た。行き先は一切教えてもらえなかった。2 月中旬、離婚すると伝えてきた。弁護士に相談、女の人がいるのでは…との指摘に事の重大さに気づかされた。
 調査開始。本人の居住地を特定することが先決。県内の事業所の近くに潜伏しているとの想定とは違い、都内の夫婦が住んでいた隣駅の5階建てのマンションだった。直線距離にして2㌔と離れていない。夫の部屋は3階で、ドアの開閉を視認できるのは向かいにある小さな公園の片隅しかない。夫の休日、探偵は目立たぬよう息を凝らしてドアを注視する。女性の出入りがあるのか、すでに女性が部屋の中に居るのか。張り込みが4時間を経過した昼過ぎ、夫が1人で部屋を出た。最寄り駅とは反対方面に向かう。徒歩尾行の探偵とその後ろから、バイクを押しながら尾行する探偵が慎重に後をつける。行きついた先は20 分ほどの場所にある月極駐車場だった。そこに、妻から聞いていた夫の車が駐車されていた。
 車が出た。バイクが尾行する。幹線道路をショートカットして商店街の道路等を抜けていく。バイクはできるだけ姿をさらさぬよう、車のテールを追い続ける。そして20 分ほどの住宅街に停車した。すると、成人しているとは思えない女性が小走りで車に乗り込んだ。いわゆる「萌え系」といわれる女性だった。車は、高速道路を北上。尾行車両が追いついたのは高速道路のPA。これで、車とバイクの2 台態勢で尾行ができる。行きついた先は那須。所々に立ち寄り、夫は女性を写真に収める。日帰り温泉に立ち寄って月極駐車場に戻った。手をつなぎ夫が女性の荷物を持ち、2人はもつれ合うように夫のマンションに消えた。
 訴訟まで争う場合に備えて、部屋を出る映像を押さえ、加えて女性の素性を割り出さなければならない。長い張り込みになった。2人が入室してから、20時間が経過した午後4時過ぎ2人は出てきた。最寄り駅まで夫が送る。女性を尾行する。電車を乗り換え、住宅街の一軒家に帰った。後日の調査で、その女性は20 歳の女子大生であることが判明。妻は「萌え系」の女性と交際していたという趣味に茫然自失となった。
 
 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。


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