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2021年12月27日月曜日

12月27日


 探偵シリーズバックナンバーより~

 

345「婚活パーティー…悪どい女」

 

 長男の交際相手のことで相談に来た50代の母親。

20年前に夫と死別し、息子2人を女手一つで育てあげた。

相談は33歳の長男の交際相手のこと。

 長男は地元の高校を卒業後、

精密部品製造の工場へ就職。真面目が取り柄で友達も少なく

これといった趣味もない。女性との恋愛経験も皆無。

次男は長男とは正反対で、既に結婚し2人の子を持つ。

母親は長男にも結婚をしてほしいと強く願っていた。

そんな時、「婚活パーティー」の案内を目にした。

長男に話す。拒絶覚悟だったが、母親の胸の内を話すと、

参加すると。それに向けて眼鏡をコンタクトに替え、

理髪店、洋服まですべて母親が同伴して印象を良くして

パーティーに参加。

帰宅した長男は「いい人とマッチングできた!」と。

そう話す長男に、うれしかったのはつかの間だった。

 その女性は4歳年上の37歳で、離婚歴はあるが

子どもはいないという。出身は千葉県で、小学6年の時、

父親の転勤を機に県内へ来て現在も両親と同居している。

仕事は大学を卒業後、一度教職に就いたが、

その環境になじめずに、現在は生命保険会社の

経理課で働いているという。明るく話す息子とは正反対に、

母親の心はその女性に対して、何か心の中がささくれ立った。

 一月ほどたった時、彼女を紹介したいと言ってきた。

正直、会いたくはなかったが、どんな女性なのかを

見るいい機会だと思いなおし、その女性に会った。

そこで母親は大きな違和感に包まれた。

とても37歳には見えないし、饒舌(じょうぜつ)で調子がいい。

正直落胆したとしか言いようがない。

長男が言うには、土日祝日は全て仕事という理由で

会ったこともなく、会うのは平日の夜に食事をするだけ。

息子が家に行きたいと言っても、父親の体調がよくないからと

お茶を濁される。交際して半年、息子は疑いもなく交際している。

 母親の疑念は消えることがない。

素性調査開始。確実に調査ができるように、

息子のデート日の情報を仕入れ、息子の退勤した後を追う

もちろん息子には秘密に進める。

ショッピングモールで待ち合わせ、女性はコートを購入し、

支払いは息子。その後、食事をして別れ女性が自分の車に

乗り込んだのは午後9時。女性を尾行する。向かった先は、

2階建ての古びたアパートの一室。

翌朝7時から張り込む。すると、中学校の制服に

身を包んだ女の子が出て来て自転車に乗り込む。

そして9時前にその女性が出て来て、生命保険会社に出勤した。

 その後の調査で、その女性は45歳で、

5年前に離婚をして娘と2人暮らし。

教職の経験も嘘で、仕事は生命保険会社の

経理課ではなく保険外交員だった。

後日報告。驚いたことに長男も一緒に来た。

2人は、調査映像を一言も言葉を発することもなく注視していた。

そして長男がポツリと口にした。「50万円貸している…」と。

 


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