「娘の婚約者…嘘つき男②」
【GK と懇意にする弁護士が妹の50
代後半の女性を伴って来た。妹の娘つまり姪の婚約者について。その娘は30 代前半。大の父親っ子で誰よりも父親が優先。その父親が仕事中に亡くなる。くも膜下出血だった。8年前のこと。娘の気落ちは半端なものではなく、拒食症になり心身が病み、勤務先を退職。それから1 年、家族や医療機関などの支援により、なんとか立ち直って、30 歳を前にして看護学校に入学した。そこで友達に誘われたクラブに通いつめ、3 年の時にクラブで知り合った男性と結婚の約束をしたのでと、家に連れて来ることに。母親は、弁護士である兄を同席。その彼氏は、超イケメンですべてにおいてそつがない。出来すぎていると二人は不信感を抱く。娘はこれまで交際経験もなく、きれいというタイプではない。拒食症の反動もあり、現在は70㌔を超えている。彼氏はWEB 関係の事務所を開設したばかりだと名刺を差し出した。娘の様子を見ていると頭ごなしには反対もできない…】
まず、彼氏の名刺の住所にある「事務所」を探る。そこは3 階建てアパート。玄関先には不自然なまでの防犯カメラが設置してあり、別の会社らしき名前になっている。人の出入りもなく会社の実態はない。次に探ったのは彼の家。彼は両親は幼いときに離婚し、育ててくれた母は中学の時にがんで他界してた。現在は母方の祖母と暮らしていると聞かされているだけで、娘も行ったことはない。
彼の車が娘のアパートにある日の深夜に張り込み、朝方彼が出て来てから尾行する。行き着いた先は貸し家。それから30 分ほどして娘と同年代とおぼしき派手に髪を染めた女性がごみ捨てに出て来た。さらに張り込むこと5 時間。今度は小学校高学年と思われる女の子と彼と女性の3 人で出て来た。向かった先はショッピングモール。食事をした後、飲食店が軒を連ねる場所で女性が1 軒のスナックに入っていった。
その後も調査を継続して出た結果は、彼の嘘(うそ)偽りだらけの現実だった。両親が離婚したのは事実だが、母親が死んだというのも祖母と同居しているというのも嘘。現在はスナックに勤務する女性とその連れ子と生活し、全く働いているといった実態はない。過去に逮捕歴があることも判明。
後日報告。母親は予に反して、さほどこの調査結果に驚いてはいなかった。それは、初めて聞く事実だったが亡くなった父親が娘のためにと残しておいた預金の解約通知が実家に届いていたからだった。たぶん、娘はすべて貢いでいたのだろうと。この真実を突きつけ娘が別れないと言ったら、勘当するだけですと、母親の眼には覚悟を決めた強さがあった。
(前回はホームページをご覧下さい)
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