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2020年10月12日月曜日

10月12日


 探偵シリーズバックナンバーより~

「高校教師不倫の結末妻の浮気

 

 GK探偵事務所大宮開設の11月2日、突然の相談者がドアノブを開けた。相談者は結婚5年になる32歳の夫。清潔感と知的さを備えている。ただ、悲痛な面持ちと声の小ささに、気弱で真面目な印象を受けた。

 相談内容は2歳年上の妻の浮気疑惑だった。大学4年の時に知り合い、交際期間5年を経て結婚し昨年マンションを購入したばかり。子どもはいない。夫は一流医療機器メーカーの本社に勤める経理マンで妻は高校の教師。妻の様子に変化が現れたのは、今年の新学期が始まってからだ。会話の節々に、今年赴任してきた男性教諭の名前が頻繁に出て来るようになった。担当教科が同じで、さらに同じ部活の監督と部長という立場からと軽く受けとめていたが、その頃から試合や会議という理由で土日も出かける頻度が増え、飲み会という理由で帰宅が深夜になることも。

 内面的には妻の言葉遣いや態度等が急激に優しくなり、外見的にも化粧や服装に気を使うようになってきたという。今週末には宿泊出張を控えている。夫の性格なのか、一旦気になると頭から離れない、仕事も手につかないと、出張日に調査を敢行することに。その日は妻から飲み会と言われていた日だった。

 18時。妻が学校から最寄りの駅に向かう。夫から預かった写真とは装いや雰囲気が違っているが、顎の形と特徴のある輪郭は間違いない。電車で30分、副都心の駅で下車するとデパ地下のワイン売り場を物色し購入した。また駅に引き返し隣の駅で下車。小走りに道路を横断しある銀行の裏手に入った。そこで、大学生とも見違えるような若い男性と落ち合い、満面の笑みで手をつなぎ、迷うことなく、1軒だけあるラブホテルへ入った。カップルを装った探偵も続いてホテルへ。2人はパネルで部屋を選びエレベーターに乗り込んだ。

 探偵は映像を押さえそのままホテルを出て、張り込み場所を選定する。都内の細い路地が入りくむ場所で、とても車で張込めるような場所はない。ホテルの出入り口は2つ。探偵はそれぞれの場所から、いつ出て来るかわからない2人をただひたすら張り込んだ。雨も落ちてきた…。翌朝5時、2人は出てきた。駅のホームで抱き合い、妻を見送る。妻の尾行は女性探偵にまかせ、男を追う。男は電車を乗り継ぎ1時間ほどの一軒家に入った。表札を確認する。それは妻がよく口にしていた、男性教諭の苗字だった…。

 妻は自宅へ戻った。それから1時間後、自宅電話から夫に電話があったと連絡を受けた。妻のアリバイ工作は明らかだった。それでもなお、夫は離婚はしたくないと。1回だけのことであってほしいと願い、翌週も調査をすることに。夫の葛藤は続く…。

 (次回に続く)

 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

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