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2020年6月17日水曜日

6月17日



探偵シリーズバックナンバーより~

W 不倫の結末卑劣な盗撮

 『専業主婦に物足りなさを感じて働き始めた都内の昼キャバ。そこで知り合った既婚の医師と不倫関係になりその関係は半年ほど続く。次第に自責の念にかられ別れを切り出すが男性は納得してくれない。店も辞めた。しかし、教えていないはずの自宅を男性が知っていたという事実に恐怖を感じた。夫にばらされたらと思うと…。執拗な誘いに最後に1度だけという条件で密会した。だが、そのデートで盗撮され、その映像が男性の妻に発覚。それから執拗な嫌がらせの電話が続く。警察に相談したが、盗撮の映像は自分が鑑賞している分には罪には問えないと。子供の送り迎えなどの妻を監視している、その言動は日に日にエスカレート。相手の顔がわからない依頼人は、不安で1人では出かけることもままならなくなった。弁護士に相談。男性の妻の顔を知り、自宅付近などをうろついていたら告訴できると。妻の顔を判明することに…』
 男性を尾行するにあたって、写真もなく通勤手段もわからない。しかし、写真についてはほどなく手に入れることができた。それは、勤務する在宅医療のホームページに顔写真が掲載されていたからだ。問題は、通勤手段だ。都内の利便性の高い場所にその在宅医療の建物はある。勤務が終了する19 時から張り込む。2 階建ての建物で、出入り口は2カ所。19 30 分を過ぎたころから、職員が次々と退社していく。20 時電灯が消えた。最後に出てきたのがその男性だった。男性は、職場を出ると10 分ほど歩き駅へ。駅の階段を登り改札へ向かったが、改札には入らず、駅の反対側に出てゆっくりとロータリーを回りながらあたりに警戒の目を向けている。つまり、点検行動(尾行されていないかどうかを確認)ということだ。盗撮した映像を妻に見つかり、問い詰められてすべてを白状してしまった。依頼人に何度も電話を入れたことも知っているはず。依頼人が何らかの行動を起こしてくるのを警戒しているのだろう。
 結局男性はどこにも立ち寄ることなく職場に戻り、在宅医療の名前がついている社用車に乗り込み走り出した。男性が警戒していること、社用車で通勤していることが判明したため、深追いはせずに、2 日程の間をおいて、車両とバイクで尾行し、車で30 分の8 階建てマンションの4 階の自宅をつきとめた。この部屋のドアの開閉が見える場所は、唯一、マンションの道路向かいのショッピングセンターの立体駐車場の一部からだけ。翌朝8 時、子供と出てきた男性の妻を撮影した。化粧も施さず、髪も整えていない、恐怖映画に出て来るようなそのどんよりとした容姿と異様な雰囲気の妻の姿を目にした探偵は息をのんだ。恐怖すら感じた。
 (前回はホームページをご覧ください) 
 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。


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