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2022年3月30日水曜日

2022.3月30日

 


探偵シリーズバックナンバーより~

 

「最悪の妻…妻と2人の男たち

 

 【弁護士の紹介で嫁の素行調査を依頼してきた60代の夫婦。二世帯住宅に暮らす息子は半年前から嫁と3歳の娘を残し関西に単身赴任中。孫娘のふとした言葉から嫁の行動に疑念を抱き、ある業者に調査を依頼。結果がでないどころか、警察沙汰にまでなったという。両親は弁護士にGKを紹介された。尾行が発覚している対象者ほど厄介なものはないが、GKの威信をかけた尾行が始まった。警戒しながらも嫁が動き出した】

 2人で宿泊したという証拠を押さえるためには、翌日ドアを開け、チェックアウトの映像まで撮らなければならない。2人が入室した部屋のドアの開閉が見える部屋は二つ。待機するスタッフに連絡を入れ、「不審がられないように(今後の調査の影響上詳細は掲載できません)部屋番号を指定して予約するように」と指示。幸い部屋の予約が取れた。嫁と男性は部屋を出て居酒屋に入った。2人がホテルに戻る前に調査機材を設営する。探偵たちは慎重に尾行を続ける。男は妻よりも年下と分かる20代前半。夜10時を回る頃部屋に戻った。翌朝、いつ退出するかわからない部屋のドアを注視する。2人は10時に部屋を出て、ショッピングモールで嫁を降ろし、男は車で40分ほどの県東の一軒家へ帰宅した。後日の素性調査で、妻が勤務する職場の後輩と判明した。

 ◆第2の男◆2週間後、嫁は、娘を連れて実家へ行くと家を出た。前回とは違い警戒する様子もなく実家へ着いたが依頼人の意向でそのまま調査を続行。午後10時を過ぎた頃、嫁は徒歩で家を出、10分ほどにあるコンビニへ。普段着ではない。間違いなく何かあると探偵たちに緊張がはしる。嫁は立ち読みをしながら、しきりに目を外へ向ける。5分ほどして白いライトバンが止まると嫁は小走りに助手席へ乗り込んだ。ドアの開閉時に点灯するルームランプに映った姿は、前回調査の男性と違う白髪交じりの50歳過ぎの男性だった。車は高速道路に乗り県境のインターで降りて、近くのラブホテルへ入った。不貞の証拠を押さえるため、2人が入室した向かいの部屋に入る。探偵1人は車の中に身を隠す。もう1人は入室して部屋の窓から不貞の映像を撮るための準備をする。外にはバイク追跡班が待機。午前2時過ぎ、カーテン越しにハザードランプが光ったのを見逃さない。嫁がカーテンを開けた。車は嫁を実家前で降ろし、30 分程のアパートに帰宅した。後日の素性調査で、この男性は嫁の職場の上司であることが判明した。

 後日報告。この結果に、両親から出る言葉はなかった。現在は、息子である夫もこの現実を受け入れ、弁護士を介して離婚および男性2人に対する慰謝料請求中である。

 (前回はホームページをご覧ください)

 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

2022年3月14日月曜日

2022年3月14日

 


探偵シリーズバックナンバーより~

 

「最悪の妻…妻と2人の男たち

 

 弁護士からの紹介で、「息子の嫁の素行調査をしてほしい…」とGKを訪れた60代の夫婦。息子夫婦は両親が新築した2世帯住宅で暮らし、3歳の娘がいる。半年前に息子が関西に単身赴任になった。月に1度しか帰省しない。嫁は、息子が帰省しない週末は、娘を連れて実家に帰るようになった。2世帯とはいえ、息子がいない以上、気を使うだろうと送り出していた。

 しかし、孫娘と3人で買い物に出かけた時、孫娘が、「ここ〇〇兄ちゃんとママと3人で来たことあるよ!」と思わぬ言葉を口にした。孫娘に問いただしても「ママのお友達」と。息子には心配をかけたくない、でもこのまま放置はしておけないと、息子の姉である長女に相談し一度調査をした。長女は、調査はどこでも同じだろうとある業者に依頼をした。しかし、結果がでないどころか、嫁に尾行が発覚し警察署に駆け込まれるという大失態を犯した。両親は、以前から親交のあった弁護士に相談して、 GKを紹介されたという。尾行が発覚している対象者ほど厄介なものはない。難しい調査になることは十分承知の上で、GKの威信をかけた尾行が始まった。

◆第一の男◆

 土曜日の午後。嫁は実母の体調が芳しくないと、娘を預けて一人で家を出た。化粧っ気もなく普段着のまま。嫁の車は幹線道路に出ると、実家方面である左ウインカーを点灯させたが、左車線に入る寸前で直進方向へ進路変更し、コンビニの駐車場へ入る。周りを確認するような警戒をした後、車でショッピングモールに。ここは店舗を中心として東西南北に駐車場がある。店舗近くにスペースがあるにもかかわらず、店舗から最も離れた南端に停車した。10分程して、今度は北側駐車場に向かい店舗付近に駐車。嫁が化粧をしているのがわかる。嫁は大きな手提げ袋を手に入店して化粧室に入った。着替えた妻が出てきた。車に戻り手提げ袋をしまうと、再び入店し南側出口から出て足早に黒のワンボックスの後部座席に乗り込んだ。運転席には、男性が座っているのが見て取れる。

 そこから市内中心部にあるホテルの地下駐車場へ。カップルを装った探偵は1階のフロント付近で待機。地下駐車場にいた探偵からエレベーターに乗ったと無線が入る。1階に到着すると妻は離れた場所に移動し、男だけがフロントへ。別の探偵が後ろに並び、部屋番号を聞き取り無線で信号を送る。信号を受けた探偵が先回りする。部屋を確認して入室の映像をとらえるべく瞬時に判断。非常口のドアを開け2㌢ほどの隙間を作る。息をひそめ録画スイッチを押す。部屋のドアを開け2人は入室した。ここまではうまくいっている。しかし、これだけでは、不貞の証拠にはならない。

 (次回に続く)

 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

 

2022年3月9日水曜日

2022年3月9日

 


探偵シリーズバックナンバーより~

 

「甘い誘惑利用される女性の性

 

 半年前に夫を亡くし手にした数千万円の保険金。インターネット掲示板で手にしたお金のことを書いた。信じられないぐらいの反応があり、ついに一人の男性と交際することに。そして交際相手から、「お店(水商売)をするのが夢なんだ。物件の保証金等1000万円を立て替えてもらえないか」と懇願されなんのためらいもなく1000万円を渡した途端連絡がつかなくなった…。(次回より)

 手掛かりは、解約された携帯電話番号と黒のワンボックスに乗っていたということだけ。所在調査は難航したが、2カ月後、ようやく男の住所が判明した。千葉ではなく、埼玉県北部だった。現地の状況を確認する。そこは、郊外の農村地帯。細い道路に面し、田畑に囲まれた広い敷地内に建つ平屋建ての1軒家。母屋のほかに納屋がある。そして、農業機械とともに黒のワンボックスがあった。

 しかし、まだ断定はできない。本人の映像を抑えて、依頼人に確認してもらわなければならない。張り込む位置が困難を極めた。すぐ不審車両として通報されてしまうのがおちだ。思案の末、玄関先がなんとか確認できる道路向かいの林の中に探偵を配置する。

 7時すぎ、野良着姿の初老の女性が庭に出てきてビニールハウスへと消えた。それから20分後、薄緑の作業着姿の30代とおぼしき男性が出てきた。林に潜んだ探偵がその顔を撮影する。この男が対象者なのだろうか? すぐさまメールに写真を添付して依頼人に送る。「間違いありません」と依頼人。そして、男は黒のワンボックスを運転して家を出た。待機させていたバイクで尾行する。その後、男は勤務先と推定される音響機器メーカーの工場敷地内に入っていった。

 後日の素性調査でその全容が明らかに。男はこのメーカーの工員で、地元の農家へ婿養子に入った。両親と妻は農業を営み小学2年生になる娘との5人家族だった。交際中に語っていた名前も偽名だった。後日、依頼人に報告。しかし、彼の写真を繰り返し見たいと要求する依頼人。貸したお金のこと、お金を返してほしいなどとは一言も言わない。ただひとりの女として、「彼に会いたい…」と涙する姿があった。お金を取り戻してくださいとは一切言わずに、「一度だけ本人に会わせてください」と懇願する。結果的に、われわれが仲介をして、会うことに。

 対面当日…。「いいお店にしてね」と優しいまなざしで伝える女性がいた。恨みつらみも言わない。だまされてはいないと信じることで夢のようなひと時をけがしたくないとする凛(りん)とした恋する女性の姿があった。われわれは何も言うことはできなかった…。

 (前回はホームページをご覧ください)

 *本文は依頼人の了承を得てプライバシーに配慮しています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

2022年3月4日金曜日

2022年3月4日

 

 

探偵シリーズバックナンバーより~

 

「甘い誘惑利用される女性の性


2カ月ほど前の午前3時。電話が鳴った。不思議なほど静かな夜なのに、聞きとれないほど声が小さい。声のトーンから相当悩み苦しんでいるのが分かった。相談者は県内に住む32歳の女性。半年前に夫を不慮の事故で亡くし、小学4年生になる娘と暮らしているという。相談したいので自宅に来てほしいとのことで、後日、女性スタッフを同伴して自宅を訪問した。

 築30年は経過しているだろうか、敷地内に入った途端、木造平屋建ての家屋からは線香の匂いが漂ってくる。庭も雑草が茂り、湿気のせいもあってか独特の匂いに包まれていた。この荒れている様子から、精神的に相当疲弊していることを覚悟して自宅にあがった。

 そこには、真新しい仏壇と亡き夫の遺影が目に飛び込んでくる。化粧もせず、短めにカットされた髪は、どこか中性的な印象を受ける。苦悩する表情の中にも、どことなく人のよさがにじみ出ている。女性は、「話しにくいことなのですが…」と言ったきり、黙ってしまった。そして10分後、ようやく声を振り絞るようにして出てきた言葉は、「交際相手と連絡がとれなくなってしまった。お金も貸している」。私たちの頭も混乱する。夫を亡くしてまだ半年交際相手お金

 女性によると、夫が亡くなり保険金など数千万円のお金を手にした。そして、インターネットの掲示板で夫を亡くした寂しさや手にしたお金などについて触れると、信じられないほどの反応があった。正直、これまで生きてきて、男性に相手にされたことはない。いつも、恋愛は小説の中にしかなかった。結婚も妥協の産物だった。こんなにも、私を心配してくれる男性がいるんだ…と夢中になり、ついに、一人の男性と会った。

 彼は、千葉から3時間もかけて来てくれた。背も高くイケメンで、一緒に歩くだけで優越感に支配される。今までのような自分じゃない。この彼のおかげで輝いていける…。もはや、そこには夫を亡くしたばかりという自責の念は、跡形もなく消えうせていた。彼はどこまでも優しく、何時間も話を聴いてくれた。そして、3回目のデートのとき、勇気を振り絞って自分からホテルに誘った。夢のようなひとときだった。それから、千葉からくるたび、車代として10万円を自ら渡すようになっていた。

 そして2カ月後。ホテルでの情事の後、「お店(水商売)をするのが夢なんだ。いい物件があった。物件の保証金等1000万円を立て替えてもらえないか」と懇願され、なんのためらいもなく翌週には現金を渡した。その日の彼は、不動産会社に行くからといい、デートもせずにとんぼ帰りをした。その後一切連絡がとれなくなってしまった…。

 (次回に続く)

 *本文は依頼人の了承を得てプライバシーに配慮しています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。