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2020年9月23日水曜日

9月23日

 



探偵シリーズバックナンバーより~

 

「行き過ぎた夫の浮気と外国人女性」  

 

 「弁護士からの紹介で…」と、県南に住む60代の妻が娘を伴ってきた。小柄で、ショートカットが似合う凛とした話しぶりが印象的だ。家族で自動車整備工場を営み、社員も10名ほどいる。

 妻には離婚歴がある。30数年前に会社の同僚と職場結婚したが、夫の酒癖の悪さに耐えられず、わずか半年で実家に戻った。実家の父が自動車整備業を営んでいたため仕事を手伝うようになり、10年が過ぎ35歳を迎えた頃、取引先の紹介で10歳年下の男性と再婚、娘を授かった。

 真面目な夫は、仕事に熱心に取り組み、個人商店だったものを会社化するまでにした。その後、父親も娘夫婦に家業をまかせ、夫婦2人3脚で懸命に働いてきた。会社も軌道に乗り信頼する社員も育ってきた。時間的にも金銭的にも余裕が生まれ、家も新築したのが2年前。妻は、夫に感謝し、高級外車も買い与えた。今思い返せば、その優しさが甘かったと後悔する。

 ここ1年、妻が何も言わないことをいいことに、夫は接待だ、付き合いだと言って週の半分は朝帰りをするようになった。娘とともに、女性でもいるのか…と疑念を抱き始めた。そして看過できない事態が少しずつ表面化していく。会社の経理を担当している娘が、夫のお金の使い方と使途がわからない金銭が出て行くことに不信感を抱き始めた頃、偶然にも県南のある主要駅近くのマンションの駐車場に夫の車を見つけてしまったのだ。妻は驚くことなく弁護士に相談し、まず真実を知ることが重要と調査をすることに。妻は、ただの浮気ぐらいなら放任してもよいとの器量を持ち合わせていたが、「会社の金を使い込んでいる」ことは、絶対に許せないと憤りを隠せなかった。

 調査開始。張り込む住宅地は、新興住宅地で防犯意識もことさら高く、困難を極めた。工務店・塗装店等の仕様に変装させた調査用の軽ワゴンを用意して慎重に張り込み、追跡車輌とバイクを隠し、尾行を徹底して真実を暴いていった。結果として、夫は2人のアジア系外国人と交際していた。2人それぞれにマンションを借り与え、1日たりとも空けることなく、交互にそれらの女性のマンションに出入りしていた。

 その行動は昼夜を問わず、時には昼と夜と別々の女性のマンションに出入りしている。マンション向かいのビルの非常階段の踊り場からベランダを注視すると、レースのカーテン越しに上半身裸の夫の姿や、日中出かけた公園で、腰に手を回し満面の笑みで顔を寄せ合う姿も…。真面目で仕事熱心な男が手に入れたお金と時間の余裕。踏みとどまることのできなくなった快楽。調査結果を手にした妻は、離婚に向けて弁護士に託した。

 

 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

 

2020年9月16日水曜日

9月16日






 
探偵シリーズバックナンバーより~

「突然の離婚通牒単身赴任の夫

 

 夫が単身赴任してから6年。4年前から帰省することが少なくなった。ここ2年はまったく帰ってこない。娘は、調査することを薦めたが、人を疑うことを知らない妻は、気にも留めなかった。そして、娘はお父さんに会いに行こうと、半ば強引に夫の暮らす会社の寮を訪れた。娘は、突然の訪問に戸惑う父親から発せられる空気を感じ取った…。1カ月後、夫の代理人だという弁護士から「離婚したい」との書面が届いた。(前回より)

 金曜日、夫が定時で寮に戻ってきた。着替えをすませた夫は車でパチンコ店へ。店に入った夫は40歳後半とおぼしき派手な化粧をした女性の隣に座る。8時ごろ店を出た2人は、5分ほど行った一軒家の庭先に車を止めた。築40年は経っているだろうか、庭先は車のスペース以外、まったく手入れされていない。

 女性だけが家に入り、わずか5分ほどで派手な身なりに着替えて出てきた。再び車を走らせること30分、郊外の古ぼけたスナックの前に停車すると、女性は手を振ってその店に入っていく。

 夫の車は女性宅とおぼしき一軒家に帰り、自らカギを開けて中に入る。深夜零時を回ったころ、夫は車でスナックへ女性を迎えに行った。帰宅途中、24時間営業のファミレスに入り、女性はワインを飲み始める。カップルを装った探偵が近くの席から耳をそばだてるが、ざわついた店内では2人の会話を拾うことができない。

 しかし、少なくとも夫が代理人を立て離婚を要求したというような会話は感じられなかった。むしろ、そんなことは全く気に留めていない夫の仕草と女性の笑みからは、仲むつまじい夫婦のような空気がただよう。2時間後、肩を組み腰に手を回した2人がもつれ合うように店を出て車に乗り込む。

 女性宅へ戻ると想定して、調査車両を女性宅に先回りさせた。家に入るところを映像に抑えるため身を隠す。不貞行為の証拠を確実にするには、出入りの証拠が重要なファクターとなるからだ。

 ところが、車は途中、国道から脇道に入っていく。尾行に感づかれたのか? いや、全く警戒の目を向けてくることはなかったはずだ。農道を抜けていく。間合いを取り、ライト類を全て消した調査車両がテールランプを追う。そして、車は郊外のホテルへ。10時過ぎに出てきた2人は、女性宅に帰る。

 夫は、金曜日に仕事が終わると、週末を女性宅で過ごし、月曜日の早朝、そこから直接出勤するという行動パターンが繰り返された。そして、月に2回程度はホテルへ行くことも…。調査報告書を弁護士に届け、闘いの準備が始まった…。

 (前回はホームページをご覧ください)

 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

 

2020年9月14日月曜日

9月14日



探偵シリーズバックナンバーより~

「突然の離婚通牒単身赴任の夫

 弁護士からの紹介で、東京都下から相談に来た50代の妻とその娘。地味で穏やかな印象を受ける妻の目は既に潤んでいる。娘が状況を話し始めた。

 父親は勤務する大手金属メーカーの工場移転により本県へ単身赴任してから6年がたつ。母はパート勤め、自分は地元の信用金庫に勤務しているという。

 父親は工場近くの独身寮に住んでいる。転勤当初は月に1、2度、必ず帰省し、家族と過ごしていた。家族もそれを楽しみにしていたが、4年くらい前から、畑を借りて始めた家庭菜園の手入れがあるといって、帰省することが少なくなってきた。それでも、年始年末は自宅に戻り家族との時間を共有していた。

 定年まであと5年、これまで家族のために働いてくれた感謝の気持ちから、単身赴任中くらい夫を自由にしてあげようと何の疑いを抱くことなく月日が過ぎていった。

 しかし、とうとうここ2年は一度も帰省することがなくなった。携帯もつながらない日が増えていく。娘は、「父親に女性がいるのでは」と母親に進言したが、母親は元来人を疑うということを知らない性質で、気にもとめなかった。だが娘の疑念は増していく。娘の説得に母親も折れて、今年1月の週末、突然、寮を訪問した。

 管理人に父親を呼び出してもらう。父親は寮にいたが、面会室に座ることもなく、いきなり家庭菜園を案内するといい、車で20分ほどの畑に連れていかれた。よく手入れされた10坪程度の畑。手入れに必要な道具や肥料を保管している物置を開けて説明し始めた夫の姿を目にして、妻のわずかな疑念は吹き飛んだ。

 しかし、娘は違った。突然の訪問に戸惑う父親から発せられる空気を見逃さなかった。言いようのない不安を感じ、父親と言葉も交わさずに母親を連れ帰ったという。父親は引き止めもしなかった。

 娘は、母親に調査することをすすめたが、結局は聞く耳を持たなかった。そして、ついに、娘の不安が的中した。訪問してからわずか1カ月足らず。夫の代理人という弁護士から、「離婚したい」との書面が届いた。突然のことに茫然自失となる。悲しいというより現実を受け止めることができない。それ以降は妻や娘の携帯からの電話に一切出ることはなくなった。

 数日後、本県の法テラスで紹介された弁護士のもとを訪れた。弁護士からの「女性の存在を疑うべき」とのアドバイスと娘の説得に応じて真実を探るべく調査開始。

 平日は工場と寮の往復だけ。そして週末になった。着替えた夫が出てきて車に乗り込む。穏やかで口うるさくない妻の足元を見透かしたような夫の真実が浮き彫りになっていく…。

 (次回に続く。)

 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。





2020年9月9日水曜日

9月9日

 


探偵シリーズバックナンバーより~

 

「闇の扉披露宴の恐怖

 

 【飲み会で知り合った女性は偶然にも同級生の妹だった。人妻であり、好みでもなかったが、相談に乗るうちに結果的に気を持たせてしまうことになり、女性からの一方的なアプローチが始まる。連絡を断ち切るという約束で一度だけ過ちを犯してしまった。それからというもの、断ち切るどころか、電話やメールがエスカレートしていく。無視すると「夫に話す!」という脅しの繰り返し。次第に恐怖に支配されていく…。そんな中、兄に届いた招待状で、女性は依頼人が結婚することを知った…】( 前回より)

 依頼人は、山形からわざわざGKに電話を入れた理由をこう話す。「警備業(身辺警護)の免許があり、かつ調査ができる会社を捜したらGKに行き着いた」と。翌日、山形へ飛び依頼人と面談することに。駅に迎えに来てくれた依頼人は、整った顔だちで優しさと真面目さがにじみ出ているが不健康なほどにやせていた。

 話によると、女性が依頼人の結婚することを知ったあともメールは毎日届き、無視すれば怒り出す繰り返しで、体重も10キロ落ちたとうつむく。そこには結婚を控えた幸せや希望など感じられず、ただ恐怖に支配された依頼人がいた。このことは新妻はもちろん、親族・知人等誰も知らない。女性の兄である同級生も知らない。依頼は「披露宴当日、女性を徹底的にマークし、披露宴会場や2次会会場へ姿を現したら入場を阻止してほしい」という内容だった。

 披露宴当日、早朝6時から女性宅を見張る。6時半、女性は車で山形駅に向かい、7時8分の東京行に乗車。そのまま東京まで行き、浅草に向かった。なにやらメモを見ながら迷っている。すると、あまり知られていないような「縁結びにご利益があると言う神社」を、浅草界隈を皮切りに都内で7 カ所回った。手には「ご朱印帳」のようなものを持ち、なにやら唱えている様子が伺える。その表情は、何かにとり憑かれたような鬼気迫るものがある。尾行する探偵もさすがに気味が悪いとその心情を吐露した。

 午後4時、無事に披露宴が始まったと連絡が入る。このまま山形に戻らず都内に宿泊してくれたらと願うが、午後4時過ぎの山形新幹線に乗車。山形で降り向かった先は披露宴会場方面。尾行する探偵と会場のボディーガードに緊張が走る。女性は、近くのパーキングに駐車すると、披露宴会場のホテルには入らず、何やらメモを見ながらホテルを一周。北の方向に立つと何かを撒いた。確認すると塩だった。それから車に戻ると、お札のようなものを持ちながら念仏のようなものを唱えていた。1時間が経過する頃、女性は車を出して帰宅した。

 この日は事なきを得たものの、報告を受けた依頼人の恐怖は続いている…。

 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

2020年9月7日月曜日

9月7日

 



探偵シリーズバックナンバーより~

「闇の扉披露宴の恐怖

 

 「結構式場に乗り込まれるかもしれない…」と山形県から相談の電話が入った。いかにも真面目そうで、丁寧な言葉遣いの中に、不安におののく様子が伝わってくる。相談者は35歳の男性。父親の代に自動車部品の工場を立ち上げ、今では従業員を100人抱えるまで堅実に業績を伸ばした会社の2代目、現在は副社長をしているという。

 2年前のプライベートな飲み会で知り合った女性がいた。偶然にも高校の同級生の妹だったが、自分の好みでもなく意識もしなかったが、流れで携帯番号を交換した。今思えば、それが闇の扉の入口だったと後悔する。それから、頻繁に電話やメールが来るようになる。その内容は、夫婦間の愚痴から子どものことなどさまざまな内容に始まり、次第に好意を寄せるメールになっていく。依頼人は、最初は困惑したが、相談されると断れない性格と、自分が好かれているという自己満足もあり、面倒だと思っても親切丁寧に対応してしまった。それが結果として相手の誤解を招き、気を持たせてしまう要因になった。週に1度は食事に誘われ、時には相手が子どもも連れてくることもあった。

 依頼人は、相手の女性が人妻であり、何より自分の好みのタイプではないことから次第に疎ましく感じるようになっていった。電話もメールもやめてほしいと話したが、相手の女性は、憤怒の形相で「ふざけるな!」と語気を荒げた。女性の本当の姿に驚き恐怖を感じるように。そんな依頼人を見透かすように相手は強気になっていく。そして、うなだれる依頼人の様子を見た女性は、憤怒の形相とは一転、すがるような口調で「一度だけ、一緒に泊まってほしい。それを一生の思い出に、もう連絡はしないから…」と懇願した。

 これで断ち切れるならと、一度だけ過ちを犯してしまった。やっと解放されるという安堵もつかの間、女性は、さらに増長し以前より頻繁に電話やメールが来るようになった。無視をすると、「夫に話す!」など、脅迫まがいのメール。何度か警察に相談しようとしたが、事が公になることが怖くてできない。それからは関係を持つことはなかったが、相手の呼び出しに応じなくてはならないという、負のスパイラルに落ちてしまった。

 今年7月、取引先の紹介で、ある女性を紹介され、3カ月後に結婚をすることになった。不安を抱きながらの結婚には躊躇したが、素晴らしい女性であり、ましてや両親がことのほか喜んでいるのを目の当たりにすると、そのまま結婚に向けて進めていくしかなかった。そして、悪夢が…。同級生に披露宴の招待状を送った。それを知った、妹であるその女性のとった行動が、依頼人を震撼させる事態へと発展していく…。

 (次回に続く)

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2020年9月4日金曜日

9月4日

 


探偵シリーズバックナンバーより~

 

 

「嫁の本性と悪あがき

 

 嫁の行動に浮気の疑念をもった夫の両親。息子は絶対的に嫁の言いなり。息子に事実を確認したほうがいいとは言える術もない…。(前回より)

 嫁の勤務先のシフトは誰も知らない。日時を絞り込んでからの調査は不可能である。しかし、依頼人である舅・姑は、徹底的に真実を知りたいと覚悟を決めた。調査開始。恐るべき嫁の本性は初日から暴かれた。

 〇調査1日目〈年下の男〉 子どもたちが学校へ行き、洗濯をすませると、夫が夜勤明けで寝ていることは気にもせず、お昼前に自宅を出た。車で20分ほどの学生向けのアパートが多い地区に入っていく。この一帯は、すれ違いもままならないぐらい道幅が狭く、車での尾行は難しい。車は距離を置き、スクーターと自転車を先行で尾行させる。すると、ほどなくして古ぼけたアパート入口付近にいた、明らかに年下と分かる学生風の男性が乗り込んだと無線が入る。そのままホテルへ直行して3時間過ごし、パート先のファミレスへ。

 〇調査4日目〈風俗店のバイト〉 昼過ぎに家を出た車は、宇都宮近郊のホテル街へ入り、そこにあるマンションの一室に入った。1時間ほどすると男性とともに出てきて、車の後部座席へ。するとすぐ近くのホテルの前で妻だけが降りて、部屋に消えた。90分すると同じ車が迎えに来た。妻は、派遣型風俗店でバイトしていたのだ。

 〇調査6日目〈初老の紳士〉 午後6時、夫が夜勤に出かけると間もなく、妻の車が動く。高速道路で北に向かい、一つ先のインターで降りると、すぐそばのホテルへと入った。このホテルは、一部屋に車が2台駐車できる造り。妻の車はグレーのセダン車の隣へ駐車した。証拠となると、部屋から出てくる映像がなんとしてもほしい。しかし、部屋の前のスペースはない。ただ一カ所だけ、その場所は存在した。それは、雑木林に囲まれたホテルの塀のわずかな隙間だった。ビデオを構える。降りしきる雨、湿気とむせ返るような暑さ。合羽を着こんで、身じろぎもせずに注視する。それから4時間、二人は出てきた。その男は白髪の紳士然とした男性だった。

 継続調査で、白髪の男性と年下の男性とは週1回ずつホテルへ、週1回は風俗店でバイトしていることが判明。男たちの素性は、年下の男性は嫁と同じファミレスでバイトしている大学生、白髪の男性については…。弁護士にこの事実を伝えてもらうと、嫁は悪びれた様子のかけらもなく、「調査するなんて許せない!!」とたんかを切って家を出ていってしまった。この事実を知っても息子は、「俺が悪いんだ」と、嫁の呪縛から逃れられないでいる。

 (前回はホームページをご覧ください)

 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。