探偵シリーズバックナンバーより~
「嫁の本性と悪あがき②」
嫁の行動に浮気の疑念をもった夫の両親。息子は絶対的に嫁の言いなり。息子に事実を確認したほうがいいとは言える術もない…。(前回より)
嫁の勤務先のシフトは誰も知らない。日時を絞り込んでからの調査は不可能である。しかし、依頼人である舅・姑は、徹底的に真実を知りたいと覚悟を決めた。調査開始。恐るべき嫁の本性は初日から暴かれた。
〇調査1日目〈年下の男〉 子どもたちが学校へ行き、洗濯をすませると、夫が夜勤明けで寝ていることは気にもせず、お昼前に自宅を出た。車で20分ほどの学生向けのアパートが多い地区に入っていく。この一帯は、すれ違いもままならないぐらい道幅が狭く、車での尾行は難しい。車は距離を置き、スクーターと自転車を先行で尾行させる。すると、ほどなくして古ぼけたアパート入口付近にいた、明らかに年下と分かる学生風の男性が乗り込んだと無線が入る。そのままホテルへ直行して3時間過ごし、パート先のファミレスへ。
〇調査4日目〈風俗店のバイト〉 昼過ぎに家を出た車は、宇都宮近郊のホテル街へ入り、そこにあるマンションの一室に入った。1時間ほどすると男性とともに出てきて、車の後部座席へ。するとすぐ近くのホテルの前で妻だけが降りて、部屋に消えた。90分すると同じ車が迎えに来た。妻は、派遣型風俗店でバイトしていたのだ。
〇調査6日目〈初老の紳士〉 午後6時、夫が夜勤に出かけると間もなく、妻の車が動く。高速道路で北に向かい、一つ先のインターで降りると、すぐそばのホテルへと入った。このホテルは、一部屋に車が2台駐車できる造り。妻の車はグレーのセダン車の隣へ駐車した。証拠となると、部屋から出てくる映像がなんとしてもほしい。しかし、部屋の前のスペースはない。ただ一カ所だけ、その場所は存在した。それは、雑木林に囲まれたホテルの塀のわずかな隙間だった。ビデオを構える。降りしきる雨、湿気とむせ返るような暑さ。合羽を着こんで、身じろぎもせずに注視する。それから4時間、二人は出てきた。その男は白髪の紳士然とした男性だった。
継続調査で、白髪の男性と年下の男性とは週1回ずつホテルへ、週1回は風俗店でバイトしていることが判明。男たちの素性は、年下の男性は嫁と同じファミレスでバイトしている大学生、白髪の男性については…。弁護士にこの事実を伝えてもらうと、嫁は悪びれた様子のかけらもなく、「調査するなんて許せない!!」とたんかを切って家を出ていってしまった…。この事実を知っても息子は、「俺が悪いんだ…」と、嫁の呪縛から逃れられないでいる。
(前回はホームページをご覧ください)
*本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。
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