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2020年7月1日水曜日

7月1日



探偵シリーズバックナンバーより~

「娘の妊娠…連絡が途絶えた男

 【「妊娠を知って、籍を入れるとあいさつした娘の彼氏との連絡が途絶えた。娘は妊娠5カ月を過ぎ産むしかない。その男を探し出してほしい」。短大を卒業したばかりの20歳の娘を連れてきた母親。県南ショッピングモールで、他県から来た男性に声をかけられ交際が始まった。娘は結婚前提の彼と両親に紹介し、彼は週末に泊まり家族のような関係になっていく。そして数カ月を過ぎた頃、妊娠が判明した。彼は籍を入れ同居しますと娘の両親に頭を下げた。来週末、娘を自分の両親に紹介すると娘の実家を後にした。そして翌日から連絡がつかなくなった。携帯電話は解約されていた。名前と車の車種と色しか分からないという。何も知らなかったという現実に後悔しかなかった】
 母娘への聞き取りから三つが真実であると断定した。一つ目は名前。彼がガソリンスタンドで使用したクレジットカードの名前を憶えていた。二つ目は、会社名は記憶になかったが、医療機器メーカーで営業をしているということ。産婦人科に行き、エコー診断をされた際に、営業のためにその使い方等の研修を受けたと機器に詳しかったことを憶えていた。三つ目は高校時代にアーチェリー部で県大会準優勝した経験があること。デートの際、東京にあるアーチェリー体験に連れていかれたという。
 彼の出身である隣県で、アーチェリー部のある高校に絞り卒業高校を見つけ、写真から本人であることを特定。同県内にある医療機器メーカー数社に内偵をかけ、一つの会社に絞り込み張り込んだ。彼の姿を確認。朝の出勤~営業~帰社~帰宅まで徹底的に尾行する。午後7時に帰社した彼は、営業車のまま再び会社を出た。車で走らせること30分の、山あいの雑木林を開発したばかりの分譲地にある真新しい一軒家に帰宅。娘が覚えていた彼の車と軽自動車が駐車してあった。翌早朝より、張り込む。午前7時過ぎ、彼が営業車に乗り出ていく。10時を過ぎた頃、2階ベランダに洗濯物を干す同年代の女性の姿が。明らかに乳幼児の物も干されている。他の家族は見られない。調べると驚くことに、土地と家屋の名義は彼のもので、1年前に購入したものだった。
 家族を調査する。すると許しがたき驚愕(きょうがく)の事実が判明した。彼は2年前、26歳の時に結婚していた。娘の実家に泊まりに来ていた期間は、彼の妻が出産のため九州へ里帰りをしていたという事実が。結婚していた事実を隠し、さらに子どもがいることを隠し、娘を妊娠させ結婚する約束をして逃亡するという卑劣極まりない彼の実態が明らかになった。娘はただ驚くばかり、父親は我を忘れて怒りをあらわにした
 (前回はホームページをご覧ください)
 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。


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