Powered By Blogger

2020年7月10日金曜日

7月10日


 探偵シリーズバックナンバーより~

「追跡妻の浮気

 【40歳の夫。偶然目にした派手な下着。妻の浮気を疑い「GPS調査で安い」が売りの探偵に依頼したが、妻は買い物をしていたとの報告で、写真は妻の車の写真が1枚だけ。それもそのはず、妻の浮気のほとんどは、相手の車に乗り換えてしまうのだ。GPSで車の位置を捜しても、結果などでるはずがない。】
 妻は黒のワンボックスカーに近づき、助手席に乗る。既に日が落ちて暗いが、ドアを開けた瞬間ルームランプが点灯し、男性の顔が確認できた。車は、裏道に入る。追跡するバイクは、その車のテールランプを視界にとらえ続け、渋滞に巻き込まれていた調査車両も追いつき、黒いワンボックスカーの背後につくと、バイクはその後方に回り込み追跡する車両から死角になる位置に移動する。裏道などを抜けていくが、調査車両とバイクは阿吽(あうん)の呼吸で追跡を続ける。
 行きついた先は、郊外の和食の店。車を降りると互いにさりげなく体に触れ合う。男は妻よりもひと回りくらい上の50代半ばに見え、スーツを着て紳士然としている。その後、店を出た2人は、ある野球場の駐車場の奥に車を停めた。周りに車もなく、調査車両もあからさまに近くには駐車はできない。辺りは暗く車の中の様子は視認できない。近づくのも調査発覚防止のため慎重を期さねばならない。
 すると、犬の散歩に来る人が少しずつ目に留まる。そこで、この場所から最も近いGKの協力者をピックアップし、犬を飼っていないか確認する。10分程の場所にその協力者がいた。すぐに現地に向かってもらい、犬の散歩に扮してもらうことに。この協力者は、一昨年、下野新聞ニュースカフェで開催した「探偵セミナー」の参加者で、協力者になりたいと申し出てくれた40代の女性だった。女性の到着を待ち、探偵一人と夫婦を装い車に近づく。エンジンはかかっているものの前の座席には姿は見えない。前部座席と後部座席の間にカーテンがかかっている。後部の窓ガラスはスモークフィルムが張られていて中の様子は分からない。
 既に到着してから40分経過。このままなのか、と思った時、ヘッドライトが点灯し発進した。すぐさま待機していたバイクが後を追う。行きついた先はラブホテルだった。約2時間後出てきた車は、妻の車が置かれているショッピングモールで妻を降ろした。男性の尾行に切り替える。その男性は灯りのついた一軒家に帰宅した。後日の調査で男性は、妻が半年前まで派遣されていた会社の役職者と判明。同居する妻と息子夫婦、生まれたばかりの孫もいることも。後日、報告。今もなお、離婚か否か夫の苦悩は続いている。
 (前回はホームページをご覧ください)
 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。


0 件のコメント:

コメントを投稿