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2020年7月29日水曜日

7月29日





探偵シリーズバックナンバーより~

「親子の陰謀

 【男は、結婚により夫として、子どもができれば父親としての自覚と責任を背負う。しかし、無責任な行動により、弱者である女性と子どもが犠牲になってしまうことが絶えない。依存症、DV、アダルトチルドレン…。セルフコントロールができず、自分は悪くないと、責任転嫁をする。「お前(妻)が悪い」と一方的に攻め立てる。夫の親も過保護・過干渉により、どんなに息子が悪くても、全てを嫁のせいにする。これが許せざる現実】
 以前、ある金融機関が主催した経営者懇談会の講師として招かれたのが縁で、相談者の元へ出向いた。50代の夫婦で、埼玉県に嫁いでいる娘の夫についてのことだった。娘は看護師として埼玉に就職し、そこで知り合った医療関係の技師と3年前に結婚した。2歳の娘と12月に第2子の出産を控えている。
 事の発端は、4カ月ほど前のこと。夫の無防備な携帯電話から夫が浮気していることが発覚した。実はこれが2度目の発覚だった。最初の浮気は、第1子が生まれたばかりの時。その時は赤子の笑顔を目にして、無理やり自分自身を納得させ我慢した。しかし今度は、きちんとけじめをつけなくてはと、不倫相手の女を呼び出し、夫と別れることを誓約させた。離婚も考えたが、12月に生まれてくる子のことを思うと。だが、だらしのない無責任な夫の態度と行動は改まることはなかった。
 7月に入ると、次第にささいなことでけんかを仕向けられるようになっていく。夫が自分をわざと怒らせるようにしていることがわかった。怒れば負けだと子のためにひたすら耐えた。夫のある夜勤の日のこと。娘の嘔吐が激しく、高熱を出し勤務先に電話した。すると、既に退社しているという。携帯にかけても留守電になるだけ。やむを得ず救急車を呼んだ。急性胃腸炎だった。台所に掲示してある夫の勤務シフト表はでたらめなものだった。
 怒りも限界。襟を正させようと両親に来てもらい追及した。最初はしおらしかった夫。しかし、このことは夫の親は知っているのかと問いただした途端、突然キレて家を出て行った。夫の実家に連絡。耳を疑うような言葉が返ってきた。「寄ってたかって息子をいじめた」と激昂する始末。孫のことなど何ら気にしてもいない。信じられない。茫然自失とはまさにこのこと。離婚をして実家に戻る覚悟を決めた。両親と娘は徹底的に闘うと誓った。訴訟になって何年かかろうが、責任だけはとらせると。
 調査開始。勤務後の夫を尾行する。夫が勤務する病院の最寄駅は、実家の最寄駅から2駅。夫はその駅に降り立った。そこへ…。信じがたき夫と親の姿を目にする。
 (次回に続く)
 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。


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