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2020年5月11日月曜日

5月11日


お久しぶりです。

新型コロナウイルスの影響で街の様子も一変しました。

この状況下で自粛生活をしなければなりませんが、

もうしばらく・・ガマン😣

何事も前向きに考え、乗り切りましょう。

ご家庭内でのトラブルが増加しております。

お困りごとがございましたら

GK探偵事務所までお気軽にお問い合わせください。


アスポバックナンバーより~


「恩人探し…30 年来の想い」



 2カ月ほど前のこと。東海地方に住む40代後半の女性からの電話。「恩人を捜してほしい」とのこと。東京駅で落ち合い、詳しい話を聴く。その女性は、地元の高校を卒業後、都内で就職。就職先は社員30人ほどの金属加工会社。その会社は一族が経営しており、社長の決めたことに意見を言える人はいない。唯一、30年以上勤務している課長だけが社長と社員の緩衝材のような存在で、何とか人間関係は保たれていたという。

 依頼人は、事務職で採用されたはずが、繁忙期には現場での仕事にも駆り出された。残業手当など出たためしもない。ある日、社長から暴言を吐かれ、定規で頭を叩かれた。課長が愚痴に耳を傾けてくれた。それが救いだった。それから依頼人に対して、社長のあたりが厳しくなり、たまりかねた課長は社長をいさめた。その結果、課長は降格され給料も減らされるという事態に。依頼人は、私のせいで…と泣きながら頭を下げたが、気にしないでいいんだよと、優しくいたわってくれたという。それから5日後の朝礼の時、思いもしない出来事が。その課長の退職の挨拶だった。課長は会社を去った。課長には大学生の娘もいる。お金だって必要なはず。私をかばったために…と悩んだ。結局、2カ月後に、自分も退社して地元に帰った。一度だけおわびしようと勇気を出して電話をかけたが、奥さんが出て、思わず受話器を置いてしまったという。奥さんは私のことがきっかけで退職したことは知らないはずで、申し訳ない気持ちで話ができなかったと、依頼人の眼は潤んでいた。

 依頼人から、とにかくきちんとおわびしたいと、その思いが詰まった手紙を渡してほしいと託された。調査開始。その人は80歳に近い。手掛かりは、30年前の年賀状の家族の名前と公団住宅の住所、当時の電話番号、社員旅行時の写真。茨城県内の町の出身で6人兄弟の末っ子ということだけ。難しい調査になった。1カ月を過ぎたころ、やっと光が見えた。茨城に住む本人の甥と接触でき、埼玉県内に夫婦二人で住んでいることが判明した。しかし、依頼人に住所を教えるわけにはいかない。プライバシー保護のため必要なこと。依頼人に住所を教えてもいい場合は、本人の了解を得なければならない。いきなり訪問するわけにもいかない。本人の妻に誤解を受けないように細心の注意を払わなくてはならないからだ。

 本人が一人で出かける時に手紙を渡すことがベスト。張り込むこと2日目の朝。本人が犬の散歩に出た。公園で接触する。すぐに思い出してくれた。手紙を渡し、電話で話してくれるという。依頼人に電話をかけ本人に代わった。遠くから見守った。30分は話していただろう。にこやかな表情は仕事が成功したことを物語っていた。

 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

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