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2020年2月3日月曜日

2月3日

今日は節分。今年一年皆様に福が訪れますように(*^_^*)

「恋する母と娘の憂慮②」

 【母は両親を知らない。施設で育ち中学を卒業後、工場へ就職。19 歳の時、一回り年上の男性と職場結婚。夫は仕事も真面目で優しかったが、酒が入ると別人格になる「酒乱」だった。母は産まれたばかりの娘を抱いて車で避難し、夫が寝静まるのを待って帰宅するという日々が続いた。母は自分に親がいなかったためか、娘には両親そろっているのがいいと耐えて来た。しかし、娘にも暴力を振るわれそうになった。心の中で何かが切れた。そして離婚。それが依頼人である娘が20 歳になった時に母が話してくれた父親のいない真実だった。それから再婚もせずに女手一つで仕事を掛け持ちしながら娘を育てた。娘は夢であった幼稚園の先生になり結婚、子供2人にも恵まれた。その母が勤務先の同僚に勧められ出会いサイトに登録し、都内に住む60 歳過ぎの男性と知り合った。母は10 年前に男性にだまされお金も失ってしまった過去がある。その男性は四国生まれで、年老いた母親が1人で暮らしていて2人の息子は独立。本人も8年前に離婚し金銭的にも余裕があるので仕事をせず、悠々自適の生活を営んでいるという。これが母親から聴きだせた情報だった。母が連休に男性宅に泊まりに行くという日に尾行することに】
 JR在来線に乗り赤羽駅で乗り換え、ある駅で降りた。既に男性はホームで待っていた。人目をはばからず、抱き合う。腕を組み満面の笑みを浮かべている。近くの商店街を探索しながらお惣菜や酒などを購入していく。そこで、妙な違和感が。それはすべての支払いを母がしているからだ。それから徒歩で20 分ほどの木造2階建ての築40 年ほどの2階の一室に入った。洗濯機が入り口わきに置いてあるような古いアパート。この事実は娘も聞かされていない。母はそれからかいがいしく玄関前の掃き掃除をしたり洗濯をしたりしていた。
 この場所さえ判明すれば、この男性の素性調査に着手できる。次々と嘘と真実をブレンドした男性の嘘が明らかになった。氏名と生年月日と出身地は真実。都内の有名私立大学卒業・8 年前に離婚・金銭的に余裕がある・図書館通い全くのうそ偽りだった。事実は、四国に年老いた母親と妻と成人した子供たちを残して逃げて来た。その理由はギャンブルで作った多額の借金。その額は800 万円を超える。つまり地元には住めずに昨年9月から都内に潜伏しているということ。仕事は日雇いの道路警備だった。後日娘に報告。映像を見てもらう。うれしそうな母の顔。この母の顔を見ると「真実を告げたほうがいいのか?」、娘は葛藤し、ただただ泣いていた。担当した探偵たちも幸せな結末を願ってやまない調査だった。

 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

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