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2021年3月5日金曜日

3月5日


 

探偵シリーズバックナンバーより~


「ある外国人妻の実態

 

 『嫁(外国人)は家業(農家)も手伝わなくなり、アルバイトに行くと言っては外出も頻繁で、外泊することも。息子は嫁に何も言えない。このままでは家が途絶えてしまう』。調査を依頼された嫁の車はある日、派遣型風俗(デリヘル)嬢との待ち合わせのメッカとされるレストランの駐車場へ。「まさか、デリヘル嬢?…」すると、隣へ白いセダンが止まった。(前回より)

 白いセダンには60歳代半ばとおぼしき紳士が。嫁はためらうこともなく、白いセダンへ乗り込む。その様子から、初対面の男性ではないことは確かである。そして、白いセダンはラブホテルへと消えた。

 しかし、今回の調査は単なる浮気の有無ではなく、嫁の実態をつかまなくてはならない。もしかしたら、風俗嬢なのか?それとも不倫なのか…。いつにも増して細かい観察が必要となるため、現場の緊張感は高まる。

 約2時間後、ラブホテルを後にした白いセダンは、再び嫁の車の隣へ。車内での2人の様子を観察するために、正面にあるアパートへ回り込み車内をうかがう。ほどなく嫁が降りると、男性の車がすぐ動きだした。尾行を白いセダンに切り替え追尾すると、郊外の小さな会社に入った。

 後日の調査で、この男性はこの会社の経営者であることが判明した。その後2 週間、嫁をマークするが、自宅とアパートを行き来しているだけで、アルバイトをしている様子もなく、男性に会うこともなかった。これでは調査の核心に触れられない。

 やむを得ず、その初老の紳士に接触を試みた。最初は否定していた男性も、最後は観念したかのように「知り合ったのは、女性(嫁)が3カ月前まで勤めていたスナック。いつしか愛人のような関係になり、月に2度ホテルへ行き、手当てを渡していた。アパートは私が保証人となり、家賃を負担していた。結婚しているとは聞いていなかった」と、すべてを語ってくれた。

 後日、依頼人である舅・姑と親族へ報告。意外なほど驚きはなかった。ただ、絶対に許せないと言った姑の言葉は重く強く印象的だった。

 

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