Powered By Blogger

2021年8月4日水曜日

8月4日

 


探偵シリーズバックナンバーより

「婚活パーティー…偽りのプロフィール②」

 

 【33 歳の長女。極度の人見知りで趣味は読書。90% 以上が大学へ進学する女子高の成績も良かったが、地元の図書館に司書として就職。恋愛経験もほぼない。母親は娘に結婚して子供を持つという喜びを得てほしいと行政主催の婚活パーティーを勧め娘が参加した。そこで5 歳年上の離婚歴はあるが子供はいないという中学の教職経験のある学習塾の講師だという男性と交際を始め1 年が経とうとしている。母親は結婚までいけたらと家に招待する。その男性を目にした母親は、大きな違和感を覚えた。38 歳には見えない、饒舌で調子が良く実家のことを聞いても一貫性がなく信用できないと。また、娘が土日祝日に一切あったこともなく、実家に行きたいと言っても、父親の体調が良くないとお茶を濁される…】

 調査を開始するにあたり、実家の住所も不明、勤務先も大手学習塾とはいえ偽りかどうかもわからない。男性をどこから尾行するかが鍵となる。そこで、母親から娘のデート日の情報を仕入れて、デートの日を調査日とした。娘には秘匿に進める。午前10 時に家を出た娘を追う。ショッピングモールで待ち合わせして食事などデートが終了したのが午後5 時。娘と別れた男性を尾行する。国道4 号を北上していく。娘が母親に話していた県北の実家に向かうのか? しかし入った先はパチンコ店。1時間で出てそこから20 分ほどのアパートの部屋に。5 分ほどして小学生とおぼしき女の子を連れた女性がその部屋へ入った。翌朝7 30 分、女の子が出て来た後、すぐさま男性が出てきて車に乗り込んだ。その車を尾行すると、宇都宮市内にある貸しビルの一室へ。そこは学習塾や家庭教師等のビラをスーパー等のテナントに置かせてもらう会社だった。

 その後の男性の素性調査により嘘が暴かれる。学歴は聞かされていた都内の一流私立大学ではなく、県内にある私立大学。それも中退。職歴は都内や埼玉県、栃木県で多職種の営業の仕事。で、その数5 社。どの会社も長続きしていない。2 カ月しか勤務していない会社もあった。年齢は42 歳。離婚はしているが、中学生の子供が1 人いて、県北の実家の両親が育てている。アパートに出入りしていたのは、離婚歴のあるパチンコ店に勤務する子持ちの女性で、ほぼ同棲状態。

 後日報告。驚いたことに、娘も一緒に来た。覚悟はできているから、娘に包み隠さず伝えてほしいと。真実を告げても、娘はその表情を変えることはなく報告映像を注視していた。母親は婚活パーティーを勧めてしまったという自責の念が強く、男性に対する怒りよりも自分を責め、娘に何度も「ごめんなさい…」と、瞳は濡れていた。

 (前回はホームページをご覧ください)

 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

0 件のコメント:

コメントを投稿