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2021年9月29日水曜日

9月29日

 


探偵シリーズバックナンバーより~

 

「親子の陰謀

 

 【第1子が生まれた時夫の浮気が発覚。12月に2人目の出産を控えたことし6月、またも浮気をした。妻は女性と逢って夫と別れることを誓約させたが、外泊も増え、身重の妻は次第に追い込まれていった。両親を呼び注意を喚起すると夫は出て行った。夫の両親から息子をいじめたと信じられない言葉が

 夫が改札を出るとすぐ女性が駆け寄ってきた。3カ月前に妻が呼び出した夫の不倫相手で間違いない。妻から聴取していた特徴と一致したからだ。満面の笑みを浮かべ手をつなぐ。2人は駅から5分ほどの和食店に入り、テーブルに向かいあってではなく並んで座る。待ち合わせだろう。探偵も潜入し背中越しの席を確保する。会話をできるだけ傍受するためだ。

 そこで信じられない光景を目にする。そこに現れたのは50代の夫婦。夫の両親だった。「息子をよろしく。嫁とは折り合いが悪い。離婚に向けて準備する」等の会話が聞こえてくる。探偵もあまりの傍若無人のことに怒りがあふれる。食事後、4人は実家へ。女性も泊まった。開いた口がふさがらないとは、まさにこのことだ。

 翌週の週末は、勤務終了後女性がアパートに帰り、その3時間後に夜勤を終えた夫が訪れる。その後2人で手をつなぎ近所のコンビニへ。人目をはばかることなく、街灯の切れ間にさしかかると肩を抱きキスをする。これが2歳の娘と12月に生まれるこの父親のすることか?身重の妻の心境を思うとたまらなく苦しくなる。

 調査期間も終盤を迎えたある週末、夫は仕事を終えると真っ直ぐに実家へ。両親に見送られ、実家の車を運転し、女性のアパートの前に停車した。女性が助手席に乗る。車輌1台とバイクで追尾する。車は、県境を越え茨城県に入った。立ち寄るコンビニでも手をつなぎ笑みが絶えることはない。このままどこに向かうのか?この先に観光スポットらしきものはなく想定ができない。車は幹線道路から農道を走り山間の集落地の、畑に囲まれた古い一軒家に入った。

 都会と違い、よそ者は目立つし目につく。玄関前の表札は確認できない。バイクは雑木林に身を隠し双眼鏡で様子をうかがう。調査車輌は、この家の情報収集に動く。住宅地図を手に入れると、この一軒家は不倫相手の女性の苗字と同じだった。実家に夫を連れてきたのだった。こんなにも不埒(ふらち)で許しがたき現実があるのだろうか。

 後日、すべてを妻の両親に報告した。妻は精神的に疲弊し不眠が続き、不正出血で入院している。両親は、あまりにもむごい現実に涙を隠すことはできなかった。そして、徹底的に闘うと証拠の品を持って弁護士の元へ向かった。

 (前回はホームページをご覧ください)

 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

 

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