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2021年10月20日水曜日

10月20日

 


探偵シリーズバックナンバーより~

 

 

「器物損壊現行犯逮捕…フジテレビへの映像提供」

 

 30 歳の工場勤務の依頼人。GK は警備業(身辺警護)の認定を受けている唯一の探偵事務所であり、証拠保全と併せ犯人の現行犯逮捕について実績があると、親族の警察関係者から紹介されたと相談に来た。その内容は「ここ半年で3回も車のドア部分を2㍍程傷つけられた」という悲痛な叫び。

 依頼人は、「犯人の目星はついている。」と話す。依頼人は現場で5人を束ねるリーダー職。10 カ月ほど前に、契約社員として4歳年上の男性がこのグループに配属されてきた。しかし、2カ月を過ぎた頃から次第に緩慢な態度になり、注意をするととにかく理屈を並べる。工程が遅延し、他のメンバーから不平不満が増えて来る。休憩時間に話そうと投げかけても、「休憩時間は仕事の話をする時間ではない」と一蹴される始末。上司に話し、作業時間を1時間切り詰めてグループミーティングを開いた。依頼人は個人攻撃にならないように配慮したつもりだったが、あるメンバーの発言によりこの犯人と思しき契約社員に対する不満が爆発した。しかし当の本人は、反省もなく不敵な笑みを浮かべていただけ。そして最後には、「私は契約社員ですから…」と開き直る。同じ仕事をしているのに待遇が違うのでとあからさまに正社員に対する敵意を向けてくる。終業時間になると話し合いは続いているのに時間ですからと席を立つ。依頼人は後を追い、叱咤(しった)した。それから14 日後に車が傷つけられた。そんな被害が半年間で3回も繰り返されたという。

 犯人であると確信しているが証拠がない。「車への傷は、身体への代償行為であり、エスカレートすると取り返しのつかないことになる。きちんと社会的制裁を課し厳罰に処す」ことが基本。過去3回被害を受けた状況をあらゆる角度で分析しX デーを決める。午後5後15 分、社員通用口から男が出て来る。道路を横断して砂利敷きの社員駐車場に向かう。するとカバンに手を入れて何かを握りしめ犯行に及んだ。

 一部始終を確認したGKスタッフが確保。犯人は激しく抵抗しドアを開けたまま車を出そうとする。別のスタッフがその車の前をふさぐ。その後110 番通報により警察署へ連行された。

 *本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

 

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