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2021年10月8日金曜日

10月8日

 


探偵シリーズバックナンバーより~

 

「駆け落ちまがいの夫と女…福島へ」

 5年前に、夫の浮気調査をした妻からの相談。

当時、夫が同じ会社の15歳年下の独身OLと浮気をしている

証拠をつかんだ。妻はパート勤めであり、夫に経済的に依存

しなければならないこと、当時小学生だった娘のことを考え

離婚しなかった。

そこで妻は、証拠をもとに弁護士に依頼し、女性に対して

慰謝料の支払いと誓約書を書かせて別離させた。

 それから4年、娘の中学入学もあり、穏やかな生活を

送ってきた。ところが、1年前ほど前から、夫に少しずつ

変化の兆しが…。その行動パターンが、5年前と類似して

きたのである。妻の脳裏からは、夫が3年間もの間浮気を

していたという事実は、時がたっても怒りが消え去ること

はなかった。あくまでも経済的なことと、娘のことを第一

に考えて生活してきた。しかし、半年前のこと、妻が夫の

浮気を疑ったことに端を発して大きないさかいに。

妻が夫に「出て行ってよ」と感情的に言ってしまった

言葉を待っていたかのように、「お前が出て行けと

言ったんだからな! 出ていくよ!」と夫は家を出た。

妻は娘に対しては子煩悩な父親であり優しかったという

こともあり、2、3日すれば帰宅するだろうと考えていた

が1週間たっても帰宅しない。

念のため勤務先に問い合わせてみると、急きょ退職した

とのこと。まさに青天の霹靂(へきれき)。

もちろん電話もLINEも通じない。

 それから5日ほどして、福島県のある会社から採用不可

の通知とともに夫の履歴書が返送されてきた。

その履歴書の志望動機は、「妻は親の介護のため宇都宮に

いますが、私は復興に協力したいとの思いが強く。

福島で働きたい」と書いてあった。さらに数日後、

別の会社から、子供の遠隔地健康保険証が自宅に送付

されてきたのである。

 そして、LINEが来た。「福島で就職した。

家のローンは支払うが、これまでのような額の生活費は

支払えない」と。夫がどこに住んでどのような生活をして

いるのか? 幸い福島には来年4月にGKの支部の開設を

希望する2人の探偵学校の生徒がいることで、

地元ナンバーの車両の手配等全面的な協力を得て調査を

開始した。結果はすぐに判明した。勤務先から退社後、

夫の車を尾行すると住宅街の月極駐車場へ入る。

驚いたことに宇都宮ナンバーの軽自動車が隣に止まっている。

夫は道路を隔てたアパートの一室を自ら開錠して入室した。

翌朝、夫に続いて女性も出て来た。明らかに5年前に浮気の

証拠をつかみ別離させた女性だったのである。その後の調査で、

この女性は夫よりも半年早く宇都宮の勤務先を退職し、福島で

就職をして居住していた。夫が後から来たのだ。

駆け落ち同様のこの事実に妻はあきれ果て、

調査報告書を持って弁護士事務所へ向かった。

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